4月に着任して以来、すべての始業式・終業式について、感染症対策のために、別室から配信する動画を各クラスで視聴する形で行ってきましたが、3学期の終業式は体育館で全校生徒が集合して行うことが出来ました。マスク越しとはいえ、実際に顔の動きを見ながら話すことができて、話しやすく感じました。以下はその時の要旨です。

【 令和4年度 3学期 終業式(体育館にて) 】3月24日
 おはようございます。令和5年3月24日(金)、ついに体育館で終業式を行うことが出来ましたね。長いコロナ禍の影響で、この一年間、リモートによる始業式や終業式が続いていましたが、この日が来ました。まだまだ感染症対策はしっかりと行うことは重要ですが、世の中も次第に動き出してきましたね。
 2学期の終業式でも言いましたが、ここ数年間はあらゆる学校の教育活動が新型コロナウィルスの影響を受けてきました。四月に新学期が始まったときから、ずっと私の念頭にあったことは「いかにして勉強や部活動や学校行事を復活させるか」という課題でした。そして、3学期は短いけれどすべてにおいて一年間の成果が問われるまとめの学期ですとも言いました。一人一人が授業や部活動はもちろん、資格取得や進路選択において満足のいく結果を得られるか、等々。それぞれに自分の目標を定めて、報われる努力をしましょうと言いました。
 期待通り、皆さんは1,2学期の部活動や学校行事を数々の制限は付きながらも成功させました。それに続いて、3学期は学習面でも、ちょうど学校入り口の看板にもあるとおり、検定試験の合格率や上位資格の取得、さらに進路実績も上々でした。国ビの修学旅行も復活しましたね。勉強や部活動に打ち込む元気な姿、そして成果が上がってきたことが何よりです。確かに動き出せば動き出した分だけ課題は課題としていろいろと見えてきますが、いい意味でこれからも良い連鎖を続けていきましょう。
 さて、少し前にこんなことがありました。松江商業高校にある企業の方が3人で来られました。年配のベテランの方1人と若い方2人でした。掃除時間中だったので玄関のところで掃除をしている生徒を見て年配の方が若手の2人に向かってこう言いました。「今はここに掃除監督の先生がいないけれども、この生徒たちはしっかりと掃除をしているよね。これが本当だよ。この生徒たちは監督が見ていなくても何をすべきかわかっていて、それが実際に実践出来るんだ。」と。企業の方ですから、見るところは見ていますよ。人を見る目は厳しいです。
 また、記憶に新しい先日、1・2年生を対象にした企業説明会が本校で行われましたよね。後で、ある大手企業の担当の方がおっしゃっていました。「私は2月から昨日までに、各地の企業説明会に出かけているが、松江商業の生徒が一番良かった。しっかり挨拶してくれるし、聞く態度も良く、意欲的だった。」ということでした。たいへん嬉しい言葉をいただいたと思うと同時に、「信用を得るということ」「相手を本気にさせるということ」とはこういうことの積み重ねではないかと思いました。
 3年生が卒業して、これからは1、2年生の皆さんが学校生活を支えていきます。もうすぐ新入生が入学してきます。しっかりと引っ張ってあげてください。勉強の仕方を教えてあげてください。検定の対策を教えてあげてください。部活動の面白さを教えてあげてください。それと部室はきれいですか。見学に来た新入生に対して恥ずかしくない先輩としてどうあれば良いですか。
 世の中は、やがてコロナが5類になり落ち着くにつれて、確実に動き出すでしょう。これからは今までよりも地域や学校外の人との関係も多くなってくるでしょう。それだけ見られることも増えてくるでしょうが、それだけ新しい出会いもあり、チャンスも広がってくるでしょう。あなたはどんな未来を想像しますか。
 以上を春休みの宿題として自ら考え、決意も新たに新学期がスタートできることを願っています。