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令和5年度始まる ~ 伝統継承と未来創造 ~

 令和5年度の新学期が始まりました。昨年はリモートによる始業式でしたが、今年は体育館で一堂に会することができました。入学式も無事に終わり学校も賑やかになってきました。今年の新入生は、新型コロナウィルスが猛威を振るう真っ只中で中学校生活を送ってきました。数々の制約の中で、勉強への不安や学校行事の楽しみも半減していたのではないかと思います。私たち高校でも昨年は臨時休業や行事の縮小や延期などで我慢して耐える日々が何度もありました。当たり前にできていたことが実は当たり前ではなかったのだということを何度も思いました。しかし逆に、むしろ新入生の皆さんはマスク生活や黙食が日常生活だったのかと思うと三年間という月日の大きさを感じます。しかし、もう、今年はコロナに向き合って4年目になります。感染症対策は油断なくしっかりとやらなければなりませんが、世の中も次第に動き出してきました。やがてコロナが5類になり落ち着くにつれて、部活動も授業や検定・資格取得にも時間を確保して打ち込むことが出来るようになるでしょう。また、課題研究や学校行事などもこれまで以上に地域社会の人たちと触れ合うことが多くなってくるでしょう。それだけ新しい発見や出会いもあり、チャンスも広がってくると思います。ぜひ高校生活で努力が報われる充実感や達成感を味わってほしいと思います。
 おそらく世の中も変わっていきます。私たちはコロナ禍の影響下で、ICT機器の普及やリモート会議、テレワーク等々の工夫で生活を維持してきました。しかし今や便利さの反面、やはり対面の方が良く伝わるという反省も出てきています。さらに現代の社会は、ここ十数年間、AI(人工知能)、SDGs(持続可能な開発目標)、カーボン・ニュートラル(脱炭素)、DX(デジタルトランスフォーメーション)、Society5.0等々の新語が示すように、大きな変革期にあり予測不可能な社会です。しかし、今やそれさえ本当にこれでいいのか検証すべき時に来ているのではないかとまで思います。
 先日、ふと次のような言葉を思い出しました。とても有名な四字熟語で中学校の教科書にも載っている言葉です。それは「温故知新」と言う言葉です。漢文で読み下すと「故きを温ねて、新しきを知る」となります。意味は「昔から伝わっているものをよく学んで理解し、新しい知識や知恵を得ること」です。元は論語という書物にある言葉ですが、この後にはさらに続く言葉があります。「故きを温ねて、新しきを知れば、以て師たるべし」「師」というのは「先生」のことで、「人の師(先生)になる資格がある」という文脈です。少し拡大して解釈すると「新しい時代の先達・リーダー、開拓者・パイオニアになることが出来る」と読み替えてもいいでしょう。つまり、こういう時代の変わり目に生きるためには、昔のことをよく知っているだけでは足りないのです。新しいものばかり追い求めても足りないのです。「伝統をいかに継承するか」ということと、「未来をいかに創造するか」ということの二つの視点を持って考える必要があると思います。少し大きなことを言いましたが、大きな志を持つと周りの広い世界が見えてきます。そして、小さな努力を積み重ねていくことの大切さにも気づきます。大きな志をもって小さな努力を着実に積み重ねると良いと思います。今年度は以上のことを意識して進んでいきたいと思っていますのでよろしくお願い致します。

3学期を終えるにあたって

 4月に着任して以来、すべての始業式・終業式について、感染症対策のために、別室から配信する動画を各クラスで視聴する形で行ってきましたが、3学期の終業式は体育館で全校生徒が集合して行うことが出来ました。マスク越しとはいえ、実際に顔の動きを見ながら話すことができて、話しやすく感じました。以下はその時の要旨です。

【 令和4年度 3学期 終業式(体育館にて) 】3月24日
 おはようございます。令和5年3月24日(金)、ついに体育館で終業式を行うことが出来ましたね。長いコロナ禍の影響で、この一年間、リモートによる始業式や終業式が続いていましたが、この日が来ました。まだまだ感染症対策はしっかりと行うことは重要ですが、世の中も次第に動き出してきましたね。
 2学期の終業式でも言いましたが、ここ数年間はあらゆる学校の教育活動が新型コロナウィルスの影響を受けてきました。四月に新学期が始まったときから、ずっと私の念頭にあったことは「いかにして勉強や部活動や学校行事を復活させるか」という課題でした。そして、3学期は短いけれどすべてにおいて一年間の成果が問われるまとめの学期ですとも言いました。一人一人が授業や部活動はもちろん、資格取得や進路選択において満足のいく結果を得られるか、等々。それぞれに自分の目標を定めて、報われる努力をしましょうと言いました。
 期待通り、皆さんは1,2学期の部活動や学校行事を数々の制限は付きながらも成功させました。それに続いて、3学期は学習面でも、ちょうど学校入り口の看板にもあるとおり、検定試験の合格率や上位資格の取得、さらに進路実績も上々でした。国ビの修学旅行も復活しましたね。勉強や部活動に打ち込む元気な姿、そして成果が上がってきたことが何よりです。確かに動き出せば動き出した分だけ課題は課題としていろいろと見えてきますが、いい意味でこれからも良い連鎖を続けていきましょう。
 さて、少し前にこんなことがありました。松江商業高校にある企業の方が3人で来られました。年配のベテランの方1人と若い方2人でした。掃除時間中だったので玄関のところで掃除をしている生徒を見て年配の方が若手の2人に向かってこう言いました。「今はここに掃除監督の先生がいないけれども、この生徒たちはしっかりと掃除をしているよね。これが本当だよ。この生徒たちは監督が見ていなくても何をすべきかわかっていて、それが実際に実践出来るんだ。」と。企業の方ですから、見るところは見ていますよ。人を見る目は厳しいです。
 また、記憶に新しい先日、1・2年生を対象にした企業説明会が本校で行われましたよね。後で、ある大手企業の担当の方がおっしゃっていました。「私は2月から昨日までに、各地の企業説明会に出かけているが、松江商業の生徒が一番良かった。しっかり挨拶してくれるし、聞く態度も良く、意欲的だった。」ということでした。たいへん嬉しい言葉をいただいたと思うと同時に、「信用を得るということ」「相手を本気にさせるということ」とはこういうことの積み重ねではないかと思いました。
 3年生が卒業して、これからは1、2年生の皆さんが学校生活を支えていきます。もうすぐ新入生が入学してきます。しっかりと引っ張ってあげてください。勉強の仕方を教えてあげてください。検定の対策を教えてあげてください。部活動の面白さを教えてあげてください。それと部室はきれいですか。見学に来た新入生に対して恥ずかしくない先輩としてどうあれば良いですか。
 世の中は、やがてコロナが5類になり落ち着くにつれて、確実に動き出すでしょう。これからは今までよりも地域や学校外の人との関係も多くなってくるでしょう。それだけ見られることも増えてくるでしょうが、それだけ新しい出会いもあり、チャンスも広がってくるでしょう。あなたはどんな未来を想像しますか。
 以上を春休みの宿題として自ら考え、決意も新たに新学期がスタートできることを願っています。

【 行事が復活した2学期 】

 本日こうして2学期の終業式を迎えることが出来ました。大雪への心配から一日繰り上げての終業式となりました。11月頃には、全校生徒が体育館に集まって終業式が出来るかなと思っていましたが、やはり世間のコロナ禍の勢いが止まらない状況もあって、オンラインによる終業式となりました。
 年末ですので、ざっと今年を振り返ってみましょう。ここ数年間はあらゆる学校の教育活動が新型コロナウィルスの影響を受けて、自粛・延期・中止などという判断をせざるを得ない環境にあり、先の見えない不安の中にありました。四月に新学期が始まったときから、ずっと私の念頭にあったことは「いかにして勉強や部活動や学校行事を復活させるか」という課題でした。今なお収束する様子の見えないコロナ禍ですが、高校生活が3年間である事を考えると、経験者がいなくなって受け継いできた伝統が途絶えてしまします。それでもコロナに向き合って3年目、相応の知恵を絞って行事を精選し「何をどこまで行うことが出来るのか」を心配する毎日でした。
 そんな矢先のこと、4月22日から臨時休校に入ることになりましたね。そして、保健所とのやりとり、健康観察、PCR検査等を行いながら学校再開の日を探る日々でした。その後、一度は臨時休校を延長しましたが、幸い28日に休校を終え、ゴールデンウィーク開けの5月6日から全校で授業再開をすることが出来ました。その後は、1学期の終業式でも話しましたが、勉強や部活動に打ち込む元気な姿が見られるようになったこと。そして、高校総体を始めとして、部活動で成果が上がってきたこと、夏に向かって、それぞれの部活動で、掲げた目標に向かって勢いが出てきたと話しました。また、ワープロや簿記等の各種競技大会でも全国大会出場権を獲得したことなど、いい意味で連鎖が広がっていったと話しました。
 その流れは2学期に入っても続き、11月には吹奏楽部がマーチングコンテストで全国大会に出場しました。本校初の快挙です。さらにちょうど今週から女子バスケットボール部がウインターカップ2022全国大会に出場し、良い意味で勢いが止まりません。また、地道な活動も注目されています。今週初めのことです。日本政策金融公庫「高校生ビジネスプラン・グランプリ」に10年継続して応募したことが表彰されました。全国で9校しかない、中国地区では初めての栄誉です。まだまだ言い足りませんが、我田引水のごとく手前味噌のごとく引用しましたが、それほど文武両道を掲げる本校としては嬉しい出来事でした。
 さて、2学期は学校行事が多いのも特徴です。学園祭が、ここ2年間はコロナ禍で2日開催だったものが、3日間開催をすることが出来、生徒会もおもしろい企画を考えてくれました。ロードレースや球技大会なども実施できています。そして、商業高校ならではの魅力的な学びの一つとして、「松商だんだんフェスタ」を入場者数に制限はありながらも、12月に開催できたこと。そこには普段はおとなしい生徒達のビジネスマナーに則った元気の良い声と活動がありました。また、復活を願う外部の人々の声も多く聞きました。確かに、動き出せば動き出した分だけ課題は課題としていろいろと見えてきますが、生徒が生き生きと生活してこその学校だと思います。また、先生方も忙しい中、9月には生徒商業研究発表大会の中国大会を運営し、11月にはその全国大会を運営しています。何かと行事の多い2学期でしたが、入場者制限はありながらも、ほぼすべての予定をこなすことが出来ました。
 さて、そうなると3学期は何が課題でしょうか。3学期は短いけれどすべてにおいて一年間の成果が問われる学期です。一人一人が授業はもちろん、きちんと単位を修得し、どれだけ資格取得が出来るか、進路選択や進路決定において満足のいく結果を得られるか、等々。たしかにコロナ禍で出来にくい状況はありましたが、そのせいにしてばかりはいられません。どんな環境の中でも自分の目標を定めて、いま出来る努力を始め、自らの道を開拓していかなければなりません。冬休みには今年やり残したことがあればそれをやり、3学期に自分自身納得のいく成果につながるように、しっかりと計画を立てて実行をしてください。
 最後に、クリスマスも近いことですのでプレゼントを贈ります。プレゼントとは言っても、私が編集した言葉のプレゼントです。世界にはこういう言葉を贈る風習のある国もあるようです。「昨日よりも今日よりも、明日は何かを変えてみよう。」新しい年が充実し、さらに、これまでとはひと味違う年になる事を期待しています。

【 次なるステージへ 】

【 次なるステージへ 】
  本日、1学期の終業式を迎えることが出来ました。始業式は放送で行い、入学式は1年生のみ体育館で短縮・簡素化して行いました。1学期が始まっても、臨時休校や部活動の制限、中間試験の中止等、学校生活にも様々な影響がありました。そして、やはり今も新型コロナウィルスの第7波とやらに脅かされて終わる1学期になってしまいました。
 しかし、振り返ってみると、コロナと向き合って3年目、何かが変わってきたと私は思います。4月こそコロナ禍の影響がありましたが、5月にはほぼ落ち着き、勉強や部活動に打ち込む元気な姿が見られるようになりました。そして、5月末から行われた高校総体では、振商会からも激励をしていただきましたが、3つの団体競技(女子バドミントン部・女子バスケットボール部・女子ソフトボール部)と個人競技(バドミントン部のダブルス1ペアとシングルス1名、弓道部の個人1名、)等で、近年にない数の全国大会インターハイの出場権を獲得しました。加えて、サッカー部・卓球部・水泳部は中国大会に出場し、その他の部活動も自分たちの掲げた目標に向かって勢いが出てきたように感じます。直近では野球部も快進撃を続けています。
 さらに、各種商業系の競技大会(ワープロや簿記、英語弁論等)でも全国大会出場権を獲得して好成績を収め成果が上がりつつあります。総体壮行式や報告会でも話しましたが、身近にいる先輩やクラスメイトの活躍に刺激されて、これを弾みに「私も。私も。」と良い意味で連鎖が広がって行くと良いと思います。
 そして学習面ですが、郵送される通知票や担任との個人面談等を通して1学期の自分の取り組みを振り返る事が必要です。何が出来て何が出来なかったのか、その原因は何なのか。目標を掲げて地道な努力をするという点で、その姿勢は部活動と何ら変わるところではありません。ぜひ、2学期はさらに成績も向上させ文武両道を成し遂げてほしいと思います。
  コロナと向き合って3年目、もう一律に何でも中止というわけにはいきません。厳しい状況は続きますが感染症対策には十分注意しつつも、充実感や達成感のある本来の学校生活を取り戻せるように、そして学校行事の再検討など工夫・努力していきますので、今後ともよろしくお願いします。

【 夏休みを迎えるにあたって 】
 これから約一ヶ月夏休みに入りますが、私が高校生の時に担任の先生が話された言葉を紹介します。 「君子、三日会わざれば、刮目して見るべし。」
元の話は中国の古典『三国志演義』にあるのですが、呉の国の武将で呂蒙という人の話です。呂蒙は学問が嫌いで勉強しなかったため、世間から笑われていました。それを残念に思った呉王の孫権は彼が変わることが出来るようにいろいろな書物を読むように勧めました。すると呂蒙は、自分のためを思って言ってくれる孫権の言葉を受け止めて、その後たいへんな努力をするようになりました。ある日、日頃から彼を軽蔑していた呉の国の魯粛という人が会って話をしてみると、呂蒙が以前とは比べものにならないほど豊かな学問と知識を備えた人物になっていて、魯粛はたいへん驚いた、ということです。この話を踏まえた言葉が「君子、三日会わざれば、刮目して見るべし。」という言葉で、(解説)「立派な人というものは、別れて三日もあると大いに成長しているものだ。だから、次に会ったときは目を見開いてしっかりと見なければならない。」という意味です。自覚と努力によって人は大きく成長するものです。
 この話のように、生徒の皆さんにも自分の成長が実感できる、そしてそれが周囲の人にも伝わるような夏休みを過ごしてほしいと願っています。

【 高校総体 始まる 】

 いよいよ高校総体が間近に迫ってきました。そして、総体パワーアップ期間が始まりました。放課後の校舎内外で一生懸命練習している元気な姿をたくさん見かけます。
 今年も新型コロナウィルスの影響で、練習試合ができなかったり、日々の練習などにも数々の制約があったり、満足な部活動はできなかったかもしれませんが、それでもオミクロン株に負けない強い思いに支えられて今日まで来ています。今後も決して安心はできませんが、これまでの不安や悔しさをバネにし、すべてをプラスのエネルギーに変えて、挑戦してほしいと思っています。
 壮行式ではこんな話をしました。古来、戦いに勝つ3つの条件として、「天の時・地の利・人の和」という言葉があります。「天の時」これは「自然の条件や運勢が良いこと、チャンスが訪れること」等を表します。「地の利」これは「地理的な条件が良いこと、相手より有利な立ち位置にいること」です。「人の和」これは「人々の気持ちが一つになっていること」です。漢文でおなじみの「孟子」に出てくる言葉ですが、その中でも「最も大切なものは人の和である」と言っています。なぜだかわかりますか?(尤も、天の時や地の利は私たち個人の力ではどうしようもないですけどね)
 各部活動ともお互い励まし合い一致団結して、これまで蓄積してきた力を存分に発揮してくれることを期待しています。そして、今回は出場しないけれども、それぞれ自分の目指す次の大会に向かっている人もいるはずです。また、文化部の多くは秋に向かって今からスタートしましょう。全力をぶつける時期や状況は様々でしょうが、このパワーアップ期間を皮切りに、一層の磨きをかけてください。松江商業高校の全体が、お互いの活躍の場を、応援し励まし合い、充実感を味わえるように願っています。

【 流 転 】

別天地 やがて明けゆく 春の海

    かつて西へ向かった道を、時を経て今、東へ向かう。
   若き日に思い出を残して旅立った地は、
   時代の流れに様変わりをして、
   新たな勢いのもとに進もうとしている。
   期待と不安とが入り交じる不透明な未来。
   しかし、水平線は明るさを増し、
   生まれ変わった陽が昇ることを教えてくれる。

令和4年度 着任の挨拶

 このたびの異動で赴任した校長の木村文明です。前任校が浜田商業高校でしたので、同じ「商業」つながりということで、ビジネスマナーを徹底し、多くの資格を取得し、勉強と部活動の両立に打ち込んで、実績をあげている松江商業高校のことは、あるときは一つの目標として、またあるときはよき仲間として外から見ていました。
 実際に来てみると、さすがは創立120周年を誇る伝統の数々、様々な設備を備えた校舎の広さ、さらには自然環境の美しさまで加わって、連日のコロナ報道で悶々としていた気持ちも吹き飛ぶ思いに変わりました。
 コロナの影響で、春休み中の部活動がない静かな校舎でしたが、いよいよ新学期ということで、生徒の皆さんが登校して学校らしくなりました。どんな年になるのでしょうか。今から期待しています。どうかよろしくお願いします。

「松江商業高等学校グランドデザイン」の策定について

 令和4年度からの新学習指導要領実施に向け、各校の目指す方向や特色を明確にして教育活動を体系化するとともに、それらを生徒や教職員、保護者、地域社会と共有するため、学校教育の全体構想図「グランドデザイン」を、すべての県立高校において策定することが求められています。
 本校においてもグランドデザインの策定に取り組み、過日開催された松江商業高校未来創造コンソーシアム役員会、学校評議員会等で説明のうえ意見を伺い、承認を得たところです。
 その松江商業高等学校グランドデザイン」の骨子を紹介します。
 まず「本校の使命」を「1.商業教育を通して、地域や社会の未来を切り拓く人材を育成する。2.島根県の商業教育の中核として、専門的知識・技能を身につけた将来のスペシャリストを育成する。3.地域に開かれた魅力ある学校づくりを推進し、地域の活性化に寄与する。」と定めています。
 そして「教育目標」を「豊かな人間性をもち、高い志を掲げ、主体的に学び、自立する生徒を育成する~将来、産業経済界をはじめとする地域社会で活躍する人材の育成~ 1.高潔な品位の育成 2.優れた能力の育成 3.目的意識の育成」としています。
 また、スクール・ポリシーを定めています。
 まずは「アドミッション・ポリシー(生徒募集方針)」です。挨拶や服装等の基本的な生活習慣が身についていて、学習や資格取得、部活動等に目標を持って積極的に取り組もうとする意慾のある生徒の入学を求めています。
 次に「カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施方針)」です。これは本校の特色ある教育活動をについて定めたもので、4つのことから成り立っています。1つめは、地域・企業・大学等との協働による教育活動の実践です。課題研究や松商だんだんフェスタ、IT人材育成事業、未来創造プロジェクトなどがあります。2つめは、資格検定取得の奨励と、目標達成に向け粘り強く挑戦する機会の設定です。全商検定1級3種目以上や日商簿記、実用英語検定、情報技術者等の外部検定試験の取得があります。3つめは、挨拶をはじめとするコミュニケーションを重視した、学校内外での教育活動です。部活動やビジネスマナー指導などです。4つめは、様々な活動を通した将来の進路目標の設定、多様な進路選択への対応です。これらのカリキュラム・ポリシーをもとに教育活動を実践し、松商力(コミュニケーション力・協働力・律する力・受容力・状況確認力・自ら動く力・向上心・「専門的知識・技術」)を高め、明治41年に制定され、脈々と受け継がれてきた校訓「誠実・質素・勤勉」の精神を身につけていきます。
 そして、これらの教育活動を通してどのような生徒を育成するのか、学科ごとにグラデュエーション・ポリシー(生徒育成方針)を定めています。商業科は「地域経済を活性化し、継続的に地域に貢献できる人材の育成」、情報処理科は「ITの高度な専門性を備えた人材の育成」、国際ビジネス科は「グローバルな視野を持ったビジネスリーダーの育成」をそれぞれ目指します。
 全体構想図にまとめた「松江商業高等学校グランドデザイン」を本校ホームページに掲載しておりますので、ご覧いただきたく思います。
 この「松江商業高等学校グランドデザイン」を元に、地域社会で活躍する人材の育成に邁進していく覚悟ですので、皆様のご理解、ご支援をいただきますようお願い申し上げます。

島根県立松江商業高等学校  
校 長  西 村 隆 正  

 

第10回松商だんだんフェスタの中止について

第10回松商だんだんフェスタの中止について

 本日の朝礼時に、Zoomを利用して全校朝礼を行い、私から全校生徒に、12月開催予定の「松商だんだんフェスタ」の開催中止について話しました。
 県内では8月以来の感染急増が未だ収まらず、断続的に2桁の陽性者が出ています。3ヶ月先の状況を予測することは難しいですが、リスクがゼロになることはあり得ないと思います。そのような中で開催したとすれば、来場者数の制限をしても3密を避けることが難しく、感染拡大防止が徹底できないと判断しました。生徒・教職員はもちろんですが、来場いただく保護者や地域の皆様、協力していただく企業関係者の皆様の安心・安全を最優先した結果、中止と決定しました。
 もうすでに1学期から、生徒から募集したフェスタ役員を中心に計画を練ってもらい、全校生徒に係の希望調査も提出してもらっています。フェスタの実施を楽しみにして、頑張ろうと意欲に満ちていた全ての生徒の皆さんに本当に申し訳なく思います。
 また、松江の冬の風物詩として好評を博し、毎年「松商だんだんフェスタ」を楽しみにしていただいている保護者や地域の皆様にも心よりお詫び申し上げます。今回の中止決定は、「松商だんだんフェスタ」を未来につなげるための苦渋の選択であると考えております。何とぞご理解いただきますようお願い申し上げます。
 来年度こそは「松商だんだんフェスタ」を盛大に開催し、多くの来場者の皆様を、生徒・教職員一同、マスクを外して笑顔でお迎えしたいと思っております。来年度は現1・2年生が中心になっての開催となりますが、2年連続での中止で全くの経験がなく、ゼロからのスタートとなります。今までの伝統を受け継ぎながら、新しい「松商だんだんフェスタ」を創造してくれることを心から祈念します。

島根県立松江商業高等学校  
校 長  西 村 隆 正  

校長あいさつ

 松江商業高等学校のホームページにお越しいただき、ありがとうございます。校長の西村隆正と申します。松江商業高校に赴任して2年目となります。どうぞよろしくお願いします。
 本校は明治33年(西暦1900年)、県民の殖産振興の熱い期待の中、山陰に先駆け全国32番目の商業高校、校名「島根県商業学校」として市内殿町に開校されました。爾来、時代の変遷に伴い、社会の要請に応えながら、幾度かの校名改称、統合・分離独立、校舎移転、学科改編等、様々な局面を乗り越え、今日に至っております。
 昨年度、創立120周年の節目を迎えることができました。今春の卒業生を加えると、卒業生は二万五千人を超え、これまでに、地元経済産業界をはじめとして、各界各層に優秀な人材を輩出し、名実ともに島根県商業教育の中核を担う伝統校として発展を遂げてまいりました。
 これもひとえに、本校教育活動を支えていただきました島根県並びに島根県教育委員会、松江市、地元産業界の皆様、後輩に惜しみないご援助を頂きました振商会並びに一般財団法人振商会、そして、卒業生の皆様、温かい目で見守って頂きました地域の皆様、本校教育活動にご理解・ご協力をいただきました保護者の皆様、本校の発展にご尽力された歴代校長を中心とする旧教職員、それぞれの皆様方のご支援の賜であると、深く感謝申し上げます。
 さて、昨年来、新型コロナウイルス感染症は衰えることを知らず、今また、第4波が押し寄せようとしています。昨年来、感染拡大防止のため、様々な行動が自粛・制限されながらも、少しずつ日常生活が取り戻され、学校においても徐々に通常の教育活動が再開できるようになりました。
 今の段階で、今回のコロナ禍の功罪について論じるのは時期尚早かもしれませんが、新たな気づきや学びも少なからずあるように感じております。もちろん「罪」のほうが圧倒的に多く、健康被害や経済的困窮だけでなく、夢の中断や挫折など、今までの努力が一蹴されてしまったり、価値観が一変したりもしました。その中で敢えて「功」を挙げるとするならば、当たり前の生活を過ごせることの有り難さ、家族の絆や仲間の存在の大切さに気づくことができたこと、また、今までの人生の振り返りと新たな決意の機会を得たことなどが挙げられると思います。
 「新しい日常」という言葉が使われ始めました。「withコロナ」とも表現され、未だ正体の知れないウイルスとの共存を前提とした生活様式の構築が求められています。正に「不易と流行」です。江戸時代の俳人、松尾芭蕉は「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」と言っています。即ち、「不易」といういつの時代にも変わらず軸となるものの上に、「流行」という進取の気風を積極的に取り込むことが大切だということです。
 本校教育の「不易」である校訓は、明治40年に「誠実・質素・勤勉」が定められ、その精神は明治41年に作られた校歌にも歌い込まれています。校訓と校歌は振商会会員や在校生の心の拠り所であり、時代は明治から、大正、昭和、そして、平成、令和へと変わりましたが、校訓・校歌とも今日まで変わることなく受け継がれています。
 しかしながら、伝統は古きものを守っていくだけでは築き上げることができません。生徒の皆さんは、これからの混沌としたグローバル社会、少子高齢化社会、AIの台頭による情報化社会の中で、自らに問いかけ、答えを見つけていかなければなりません。この歴史と伝統のある松江商業高等学校に集った友と切磋琢磨し、自らの力を磨き、互いを高め合うことにより、松江商業高等学校に新たな風を吹かせてほしいと願っています。
 私たち生徒・教職員は、諸先輩方が連綿と築いてこられた輝かしい歴史とよき伝統・校風を受け継いでいくとともに、なお一層、地域の期待と時代の要請に応えるべく、一丸となって、松江商業高等学校の新たな歴史を刻み、夢と活力あふれる学校づくりに邁進していく所存でございます。今後ともよろしくお願いいたします。

島根県立松江商業高等学校  
第38代校長 西村 隆正  

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