平素より本校の教育振興のため格別のご支援、ご協力を賜っておりますことに厚く御礼を申し上げます。今年度は5月に新型コロナ感染症が5類に移行されることによって、社会経済活動が再開し学校生活もほぼ通常通り動きだしております。
 1学期の終業式では、高校総体を始めとして、部活動で全体的に成果が上がってきたこと、課題は抱えながら、個人でも上位大会への進出が増えたこと、ビジネス計算競技大会珠算の部、また簿記競技大会で全国大会出場など成果が上がりつつあることなどを紹介しましたが、終業式後に次のようなイベントがありました。
 TVでも報道されましたが、「商業研究部」は、今年度白潟エリアの活性化について調査研究をしています。この活動の一環で、7月22日(土)に白潟本町商店街・北天神商店街にて開催された「まつえ土曜夜市」に出店しました。これまで、商業研究部が開発した商品を販売したほか、ステージでは吹奏楽部の松商メドレー、茶華部は老舗中村茶舗とのコラボで、抹茶レモンサイダーを提供。販売ブースでは松江工業高校の生徒さんと一緒に松江農林高校のジャムも販売しました。地域の方とのたくさんの交流もでき、松江市の抱える商店街の活性化について考察を深める良い機会となりました。そして生徒商業研究発表会で堂々とその実践を発表しました。地域の活性化にチームで寄り添った面白い企画になったと思います。ここからは私見ですが、これ一つ取り上げても、考え方によって生まれてくるものは大きくちがってくると思います。「人口減少に悩む商店街にかつての盛り上がりを取り戻す伝統復活なのか」それとも「商店街そのものを知らない世代の人たちも集まってくる令和の新しい商店街を創造するのか」両者それぞれに分析の方向性や度合いが変わってくると思います。今後が楽しみです。
 さて、2学期の出来事では、吹奏楽部がマーチングで2年連続して全国大会に出場することになり、大阪城ホールで演奏し銅賞に輝きました。また、9月末から松江城周辺で行われた「松江水燈路」では美術部の生徒の作品がグランプリになりました。さらに、島根県高校美術展において、美術部の共同制作で彫刻「blow out」が来夏に岐阜県で行われる全国高等学校総合文化祭美術・工芸部門に島根県代表として推薦されるなど、文化部も力を発揮しています。また、課題研究班はサンラポーむらくもとコラボし「秋に食べたい弁当」の開発を行い実際に販売しました。こうして今年は地域とのつながりや地域産業とのつながりもメディアなどに取り上げてもらっております。
 学校行事に目を向けると、先ずは夏休み明けの瑞木祭です。文化祭会場を学校・県民会館、体育祭会場を総合体育館と変えながらの3日間開催、そこには新しいことへのチャレンジとプログラムにも数々の工夫が見られました。PTAの方々と一緒に活動することもできました。もう一つは、商業高校ならではの学びの集大成として、12月2日(土)・3日(日)には「松商だんだんフェスタ」を、今年は入場制限なしで実施することができ、7129名のお客様に来ていただきました。ステージイベントやフードコートの復活、電子マネー決済という挑戦もありました。
 以上、良いことばかり列挙しましたが、動き出せば動き出した分だけ課題は課題として見えてきました。しかし同時に、そこには試行錯誤した者のみがわかる経験知が生まれています。私たち生徒・教職員は、諸先輩方が連綿と築いてこられた輝かしい歴史とよき伝統・校風を受け継いでいくとともに、地域の期待と時代の要請に応えるべく、新たな歴史を刻み、夢と活力あふれる学校づくりに邁進していく所存です。今後ともよろしくお願い申しあげます。